大会本部長挨拶

福岡県ワンヘルス国際フォーラム
実行委員会 大会本部長

福岡県知事服部 誠太郎

「第4回福岡県ワンヘルス国際フォーラム」にご参加いただき、誠にありがとうございます。

本フォーラムは、新型コロナウイルス感染症をはじめとする人獣共通感染症などに対し、各分野の世界トップクラスの研究者がワンヘルスアプローチにより解決することを目指し、「福岡宣言」がなされた福岡の地から研究成果を世界に向けて発信するため、令和2年度から開催しています。
 新型コロナウイルス感染症、SARS、MERSなどの新興感染症の多くは人獣共通感染症であり、次の新興感染症に備えるためにも、「人の健康」、「動物の健康」、「環境の健全性」を一つのものと捉え、一体的に守っていく「ワンヘルス」の理念を実践していくことが重要です。
 4回目となる今年度は、本フォーラムの専門性をより高いものとするため、ワンヘルスの推進に取り組む国際機関や研究機関などの専門家から成る専門委員会を新たに設置しました。また、これまで以上に高度な専門性が求められる実行委員会事務局については、国際機関やアジア各国の研究者とのネットワークを有するとともに、ワンへルスに関するプログラムの企画協力などを行う、アジア獣医師会連合(FAVA)ワンヘルス福岡オフィスに担っていただき、ご尽力いただいています。

本県では、令和2年12月に、全国初となる「福岡県ワンヘルス推進基本条例」を制定、令和4年3月に「福岡県ワンヘルス推進行動計画」を策定し、令和4年10月には、「環境と人と動物のより良い関係づくり等福岡県におけるワンヘルスの実践促進に関する条例」を制定しました。
 現在、行動計画に基づき、ワンヘルスを実践する拠点として、人の健康と環境の保全に関する機能を持つ「保健環境研究所」と、家畜に加え、野生動物や愛玩動物の保健衛生を一元的に担う「動物保健衛生所」が相互に連携した、全国初となる「ワンヘルスセンター」の整備を進めています。
 また、今年4月には、先行してワンヘルス教育に取り組まれているハワイ大学との間で県内11大学の同席のもと、ワンヘルス推進に関する覚書を締結し、共同研究や人材育成などの取り組みを進めていくこととしています。

今後も、こうした取り組みを進め、日本のみならず、アジア、そして世界のワンヘルスの推進に貢献し、本県がワンヘルスの世界的な先進地となることを目指します。皆さまのご理解、ご協力をお願いいたします。

結びに、本フォーラムにおいて、ワンヘルスの課題について活発に議論され、皆さまのワンへルスに対する理解が一層深まり、その理念に則った行動や活動が広がることを期待するとともに、ご参加の皆さまのご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。